【2021年10月】紅葉のR193冒険の旅day0,1
0.旅のきっかけ
自転車の楽しみ方の一つに,「酷道・険道を走る」というのがあると思います.酷道・険道とは,狭かったりアップダウンが激しかったりして通行困難な国道・県道のこと(人それぞれ色々な解釈があります).車でも走りにくい道を自転車で走るのは最高に冒険だと思いませんか??笑
しかもその多くは山間部を通るため渓谷や滝など絶景に出会う可能性も高くなります.
そんなわけで紅葉シーズン真っ只中の10月29~31日に,R439(ヨサク)と並んで四国を代表する酷道,R193(イッキュウサン)を走ってきました.香川県高松市から徳島県海部郡海陽町に至るR193は,全長160kmのうち吉野川市~終点の100km近くが狭隘区間という酷道としてはなかなかのスペック.
1.ジャンボフェリーと高松の夜
2限の授業が終わった後,13:30発のジャンボフェリーで高松へ向かう.
夕方か深夜の便しか乗ったことがなかったから,昼行便のジャンボフェリーは新鮮だった.天気は文句なしの快晴で,良い船旅になること間違いなし!
海から眺める神戸の街は本当にきれい.
しばらく街を眺めていると今度は後ろから明石海峡大橋が迫ってくる.明るいから神戸の沿岸部がくっきり観察できてまったく飽きない.出航後30分もすると屋上の展望スペースにいたほとんどの人が船内に戻っていったが,自分は明石海峡大橋通過までずっと展望スペースに残っていた笑
明石海峡大橋を過ぎると変わらない海の景色が続き,さすがにそろそろ船内に戻った.
1時間くらいくつろいだら今度は夕焼けの時間.瀬戸内海の夕焼け,絶対に見逃すわけにはいかない!全然船内でくつろいでいられない笑
午後4時半,小豆島坂手港に到着.
瀬戸内海×夕陽,最高ですね・・・
「エモい」という言葉では片づけたくないけど,ちょっと語彙力が足りない()
18:15,定刻通りに高松東港へ到着.バスで徳島に向かう時よりも,フェリーで上陸する方が何倍も「四国に来たぞ」感が強くて好き.時間に余裕があるので高松市内観光.
向かった先は・・・
高松はこの通り明るくて活気のある街で,ほかの地域へのアクセスもよく理想的な地方都市といった感じ.将来必ず住みたい街の一つ.
そして夜ご飯は「しんぺいうどん」にてお約束の讃岐うどん.
ここでいただいたのは店のオススメの生醤油うどん.うどんの刺身といわれる最も麵本来の味わいを楽しめる食べ方.醤油だけで本当においしいのかって疑ってたけどこれが本当にうまいのだ.セットのじゃこめしも天ぷらも美味しくて今まで行った5軒の中(今回の旅含めて)では断トツナンバーワン!
明日の朝ごはんと補給食の買い出しを済ませて快活クラブにて就寝.
2.阿讃山脈を越えて吉野川へ
午前7時,出発!キリッと冷えた朝だった.本日の行程は85km.まあのんびり行きましょう.
早速うどんチャージ住宅街に完全にとけこんだうどん屋さん.高松では朝6時くらいからやってるうどん屋も珍しくない.
出汁からほんのり魚介の風味がする.調べてみたら「伊吹いりこ」というのか.すごく好きな味だった!
高松空港の進入灯が見えてきたら,いよいよ本格的に山間部に入っていく.
香川は平地の多いイメージだが,高松市中心部から15kmも走れば一気に山間部.やっぱりいい街だ.
塩江温泉のローカル地図を撮る.
徳島県入り!阿讃山脈越えは標高300m程度のゆるやかな峠だった.
行く手にはこれから越える山々.阿讃山脈のゆるやかな峠とは違って,徳島の峠は厳しいものが多い.今走っている吉野川流域だけが平坦で,それ以外の地域はほぼすべて山.徳島は本当に山深く,だからこそ神戸から何回も通いたくなるほど面白い.
吉野川!橋の上から眺めるとその雄大さがよくわかる.河口から約35km(全長194km)とかなり下流なのに,川底がよく見えるくらいの透明度.冷静に考えるとすごいことだと思う.四国はどこに行っても清流の国.
3.経の坂峠と土須峠
ほたるん「ほたるの里」にて超ヘルシーなお昼ごはん.独特な極太そばがおいしい.ライド中は糖質とタンパク質に偏るからすごくありがたい.
吉野川沿いから離れると,いよいよ経の坂峠に向けて酷道の様相を表してくる.
これから海陽町まで100km近くこんな感じの道が続くらしい.
こんな山奥でも予想以上にポイ捨てが多くてちょっとがっかりしてしまった.
経の坂峠(760m)!
両脇がコンクリートでかためられていて特に展望はなく地味な峠ではあった.
でもなぜかソファーが置いてあるのがツボだったww
こういう林道,いつか走ってみたい.
経の坂峠から500m(垂直距離)下ると,先日の四国横断旅の1日目↓にも出てきたこの分かれ道に到着した.前回は左へ直進したが今回は右から降りてきた.なんだか感慨深い.
四国の山奥の集落.
経の坂峠から500m下った後は,ここからキャンプ場まで600m上らないといけない.稼いだ標高を無駄遣いしていくスタイル.経の坂峠を越えた時点で,いよいよ足に疲れが出始めてきた.キャンプ装備の20kg近い自転車だというのに,我ながらハードなコースを組んでしまった笑(というよりこれ以外によさげな道がなかった.)
路肩に突如現れる.しっかり名前までついている.
色づき始め??もしかして紅葉にはちょっと早すぎたか.今年の紅葉は夏の長雨のせいで色づきが悪いと聞いたこともある.
正直かなりしんどくなってきた.特に筋肉疲労がピークに達してきている.あたりも暗くなってきてココロもしんどい.毎回キャンプ場につくのはチェックイン時刻ギリギリどころか少しオーバーしている.行動に余裕が持てない性格・・・
やっと岳人の森キャンプ場についた!!!土須峠のほぼ頂上で,標高820m
この人気の全くない山奥で管理棟の明かりが見えた時の安心感!ササっと受付を済ませて設営.キャンプサイトはここからえげつない激坂を押して歩いた先にあった.
4.岳人の森キャンプ場にて
ここを...キャンプ地と...する... 正直,疲労困憊だった.特に太ももの裏側の筋肉疲労がやばい.85kmに対して1600mの獲得標高はここまでしんどいのか.防寒着の装備が増えたせいもあるかもしれない.急いでご飯の準備をしてシャワー室へ向かう.
シャンプー,ボディソープ付きの温水シャワーが無料!!!
こんな山奥でこのサービスは本当にありがたい!人権が一気に回復した.
帰り道,面白いものを発見.天然水組み放題!!!
1500円の利用料で,温水シャワーとドリンクバー(天然水)までついてくる.このロケーションを考えるとお得すぎませんか??
この日はほかのキャンパーさんも多く,いい雰囲気のキャンプ場だった.
遠くにはうっすら徳島市の夜景が見えていた.遠く感じるが,直線距離ではここから30kmくらい.
恒例の焼き肉×ビールで優勝!!
ガスでお米を炊き,焼き肉ができるから総計6kgのキャンプギアを積む価値は大いにあると断言できる!
思いのほかきつい行程になったが,1日目は言ってしまえばただのアプローチ.
明日からが本番.明日こそが酷道193号の真髄を味わえる.午前中の天気が少し怪しいが,明日に備えて21時半には寝た.