冒険の自転車(仮)

自転車旅・キャンプツーリングのあれこれ.

2023GW 新緑の四国山地 day2

 

2023/5/1 本日の行程(自転車区間)

1.西条市内(トリム公園)から石鎚山登山口へアプローチ

はりきった朝食セット

しまった、盛大に二度寝をしてしまった。

遅くとも6時半には起きる予定が、まさかの7時40分!?

思ったよりも昨日の125kmが効いていたのかもしれない。

せっかくホットサンドメーカーも持ってきて優雅な朝のはずが、せかせかと朝ごはんを詰め込むことになってしまった。

 

朝から焼き魚ができるなんて、焼き肉コンロ最強。

この上ない登山日和だ

出発時刻は8:40.

キャンプ地にテントを設営したまま荷物を置いていき、軽装で山頂を目指す。ロープウェイ山麓駅までは22km,400upの山岳路で、目標は10:00発のロープウェイに乗ること。

レースのつもりで飛ばせば間に合いそうだが、旅でそんなことは極力したくない......

あわただしい朝だった。

 

R194「そらやま街道」からr12へ右折。一路登山口へ。

初夏の目の覚めるような色彩に、思わずペースも上がる!

ここ数か月ほどずっと冬景色を見てきたからか、緑が目に染みる。

「山笑う」とはまさにこういう光景をいうのだろう。

 

清流に赤い橋、素晴らしい色使い。

素掘りのトンネル!!(手振れゴメン)

黒瀬ダムより上流に行けば、四国らしい深い山道の様相になり、走りが楽しい。

最後の2kmくらいは勾配もきつく、ほぼ全力に近いペースだった。

 

ロープウェイには発車5分前に間に合った。

やれやれ登山前にヒルクライムレースをさせられてしまうとは(笑)

 

2.石鎚山登山(成就ルート)

ロープウェイで標高400mから1300mへワープ!この時点で気温は13度あり、穏やか。

往復2200円の料金がかかるが、自力で高低差900mを往復する大変さを考えたら使わない手はない。こういう時ふと思ってしまう。ロープウェイ等動力を使えば真の登頂とはいえないのではないか。登山口への自転車でのアクセスも含め、全行程自分の足で登るのが真の登頂なのか。登山経験も少なく生意気ながら、そんなことを考えてしまった。

石鎚神社成就社。信仰の山であることを実感する。

試しの鎖(全長74m)

石鎚山登山(成就ルート)は、公式サイトによると上り3.5h,下り3.0hのコースタイムで、ほぼ全区間にわたって整備されている歩きやすい道だ。

問題は全部で4か所ある鎖場だ。これは甘く見るとまずい。鎖場の経験も少ない中チャレンジしてしまい、かなり怖い思いをした。後ろを絶対見ちゃいけない。「落ちたら死ぬ!」

アウトドア経験の豊富な相方Y(仮称)に三点固定の方法を教えてもらいながら、なんとか乗り切った。助かった。

 

高低差図

ishizuchisankei.com

 

 

二の鎖。下りの足の踏み場が難しい。

いよいよ山頂が見えてきた。植生はあまりなく、険しい岩山。

標高1700m付近。よく見ると芽吹きの境界線が見えて、季節を感じる。

三の鎖。全長は68m

最も恐怖を感じた三の鎖。ほぼ垂直で、ヘルメットをしていても落ちたら命が危ない。

途中、足掛かりが見つけにくい所があり、立ち往生しかけたときは人生5本指には入る絶望だった。迂回路もあるので、自信がなければ回避すべきだ......

 

西日本最高峰!!!

難所を乗り越え、西日本の最高点に登頂!!

標高はわずかに2000mに足りないが、西日本の最高峰に立っているという達成感はここでしか味わえない大きなものだった。

山頂には有人の神社(石鎚神社頂上社)と売店があり、御朱印と記念ステッカーを購入した。

風も強く、危険そうだったので天狗岳は見送った。

お昼ご飯を済ませると時刻は2時半近い。速やかに下山しよう

 

この断崖絶壁に階段を架ける技術に思わず感動した。

鎖場さえ回避すれば、下りは散歩感覚といってもいいくらいのイージーモード。

 

標高1400m付近が、冬と春の境目だった。

春の花がたくさん残り、写真撮影に余念がない

ロープウェイの山頂駅には16:20に帰ってこられた。

山頂からわずか1時間50分。下りコースタイム(3h)を1時間以上巻いてしまった。

 

ロープウェイで下界に戻った後は自転車で同じ道を引き返すだけなのだが、

往路では気付かなかった奇跡的光景が目に飛び込んでくる!!


3.石鎚山の奇跡の清流

飲み干してしまいたい、この透明度

感動した。清流王国四国の中でも、石鎚山から流れる川の透明度は飛び抜けている!

すべて黒瀬ダムより上流の県道から見られる景色。

登山等しなくても、一般県道からここまで澄んだ川が拝めるのは全国的に見ても本当に珍しいことだと思う。仁淀ブルーは有名だけど、全然それだけじゃない。すごいぞ四国。

 

同じ道でも、方向が反対になると見える景色は大きく変わってくる。

ここがツーリングの面白いところだと思う。

 

のんのんびより的風景

キャンプ地へ帰還!

テントや荷物類は無事だった。四国、治安が良い。

 

キャンプ飯!阿波尾鶏はいいぞ!

西条の街に繰り出し、温泉と食料調達。

3割引きの阿波尾鶏を見つけた時は、宝を掘り起こしたような気分だった。

朝から晩まで自転車に登山にフルで遊び、全身かなりの疲労に包まれた。

 

 

 

 

2023GW 新緑の四国山地 day1

2023/4/30 本日の行程

 

0.旅のきっかけ

春休みの終わりからGWの初日までわずか3週間。あまりに休みと休みが近くて、申し訳なくなってしまう。例によって今年のGWの旅先を悩んでいたところ、「石鎚山に登りたい!」という大学の友人の一声ですべてが決まった。高松を起点に、未走区間の多いR11を西条まで走り、翌日石鎚登山、さらに翌日はUFOラインへ。絶対楽しいに決まってる、王道にして至高のプラン。

こうして大学生活第14回目の四国旅、題して「第14次四国遠征」が開幕した。

 

1.新造船「あおい」で高松へ

どうしても新造船「あおい」に乗りたくて、あまり使う機会のなかった神戸19:20発の便に乗船。

 

指定席エリアへの入場ゲート

船内のサイクルピットに自転車を持ち込むこともできる(有料)

ピアノ

雑魚寝スペースにも1人1コンセント

旧船と比べてコンセントの数が大幅に増えたのは、旅人にとって一番うれしいポイントだった。船内座れるところにはほぼ必ずコンセントがあるくらい。もう雑魚寝スペースでコンセントの取り合いになることはない!

全席きっちりと区画が分けられ、良くも悪くも旧船の雑然とした感じは消えてしまったが、より快適な船旅になったことは間違いない。

 

高松東港には24時過ぎに到着。そのまま付近の快活に直行し、5時間ほど睡眠をとった。旅、始まる。

 

2.R11サイクリング(香川県内)

翌朝は午前8時ちょうどの出発。110kmの行程を考えるとやや遅れ気味......
さて、香川県内は移動優先でR11を直進するつもりだった。

基本的に市街地が続き、走りは単調だ。

考えることといったら、うどんをどこで食べるかくらい(笑)

 

高松市-坂出市の五色台トンネル。市街地とは思えない緑の濃さ。
香川県内は小高い山が多く、おもしろい(しんどい)

 

今回のうどんは、丸亀市「本格手打ちうどん あかみち」
中(2玉)とおにぎり合わせて510円。

セルフサービスじゃないのにリーズナブルで、いりこ出汁の効いた間違いない美味しさだった。

 

※訪問した2023年4月30日以降一時閉店し、6月頃善通寺市に移転するとのこと!

なんというベストタイミング!

goo.gl

 

無心で漕げば県境は目前。

休憩で立ち寄った道の駅「とよはま」には、何やら香ばしい物体が......

 

「ゆゆゆ(結城友奈は勇者である)」推しの道の駅とよはま。訪問時は、観音寺が舞台のアニメだということは知っていても、見たことはなかった。

旅から帰ってきた後に見ると、独特の神話的な世界観とキャラの魅力と2期「鷲尾須美の章」の衝撃の展開にのめり込んでしまう。

ゆゆゆを見ずに来てしまうなんて本当に惜しいことをした!再訪確定です。

 

今となってはもうゆゆゆオタクになりかけなので写真をたくさん貼っておきます()  グッズの充実具合が凄い。

 

ゆゆゆ以外にも、和三盆ソフトが絶品。

3.R11サイクリング(愛媛県内西条まで)

愛媛県入り!
香川-愛媛の県境を越えるのは今回が初めて。

 

瀬戸内随一の工業都市、四国中央。

名だたる製紙メーカーの工場が立ち並ぶ光景は圧巻だった。マジで工場しかない(笑)

製紙工場の臭いがやや鼻をつく。

 

愛媛県に入ってからというもの、とにかく山が近くて飽きない!

平地と山が近いのは四国では珍しくないが、ここではずっと山脈が連なっているから、他にはない圧迫感がある。

 

新居浜イオンモールで買い出しをすると、御覧の通りの限界積載。

朝出発する前に眼鏡を踏んで割ってしまい、レンズをここで交換したのもいい思い出w

 

出発直前に割っちゃった眼鏡(絶望)

 

西条市内に着くころには18時を過ぎていた。

名水の町、西条。町中に井戸があって、石鎚山の伏流水をそのまま飲むことができる。

「『飲む』ときには手を洗うなど衛生面に十分注意してください」という、水質には一切触れない注意書きが面白い。

 

R11「加茂川橋」から眺める、市街地に迫る壁のような四国山地

この橋から山を眺めると、明日からの行程に緊張して身が引き締まる。

 

オートバイで来た友人Y(仮称)と合流!お互いすっかり遅くなってしまった。

ここをキャンプ地とする!加茂川河川敷のトリム公園は無料でキャンプが可能。

トイレも水場(湧き水!飲用可!)もあってアウトドアの拠点に最適だ。

 

公園から4kmの湯之谷温泉へ。四国では珍しい、本格的な良い温泉だった。

 

キャンプ飯!新居浜イオンモールでなぜか味付けジンギスカンが安く売っていたから、即購入。ジンギスカンはキャンプ飯の頂点。

バイクにガス式の焼き肉コンロを積んできてくれて、豪華なキャンプ飯を楽しんだ。

自転車でもオートバイにも日中はそれぞれ思い思いにツーリングを楽しんで、夜キャンプ地で合流する旅のスタイルも楽しいね。

 

【2021年8月】越後山脈山籠もり【米沢→長野】day5

越後山脈山籠もり、5日目です。本日は南魚沼から三国峠を越えて群馬へ。高崎に宿を取り、この旅のグランドフィナーレとなる渋峠に備えます。一昨日の燧ケ岳登山、そして昨日の国道352号樹海ラインと、スーパービッグなイベント続きだったので、本日は明日に向けての箸休め的な一日になりました。

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本日の行程

体力に余裕があったら十日町の方に行ってみたり、魚沼スカイラインを走ってみたり、いろいろやりたいことはあった。7時に起きてみると、山籠もり特有の重たい疲れが節々に残っていて、雨の可能性も高いのでチェックインぎりぎりまで居座る作戦へ変更。結局起きたのは9時半、コンビニで朝ごはんを食べて出発は10時半...笑

いろいろやり切った後の怠惰は嫌いじゃない。

 

4日間続いた晴天フィーバーもおしまい。どんより曇り空。

 

さて、今日は翌日の渋峠のために高崎を目指すわけですが、驚くことに、新潟から群馬に抜けられる道は国道17号のみ。山が険しすぎるのかほかの道は全部新潟県側で途絶えている。面白いほどに他に道がなくて、工夫のしようがないw

2桁国道は交通量も多く風景や路面状況も単調で旅では避けるべき道の代表格だけど、本日ばかりは移動と割り切って淡々と走ろう。

 

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ここは南魚沼市、米どころ新潟の中でも最高級のコシヒカリで有名だ。

2桁国道はつまらないといいながらも、田んぼの中を突っ切って快走する道は楽しかった。

 

せっかく南魚沼に来たので、なんかおいしいお米が味わえるようなお店がないかと探してみる。

 

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「かま炊きめしやこめ太郎」にて、南魚沼産コシヒカリととんかつの定食!

もう山盛りのお米がキラキラ光ってる。日本一のコシヒカリ、美味しすぎる。

 

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このお店の何がすごいって、店内から見えるこの景色。新潟成分が濃い。

 

田園風景から山間部へ。湯沢町に入ると山の景色ばかりになった。

 

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本格的にヒルクライムが始まるが、勾配はせいぜい5~6%。二桁国道は足にやさしい。

移動と割り切れば、道幅も広いし勾配も緩いしいい選択かもしれない。

 

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峠越えの最中、突如現れる、幅1kmはありそうな巨大建造物!

苗場プリンスホテルだ。完全にシーズンオフの今はまるで廃墟で、普通に怖いw

 

 

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じわじわと登りは続き、標高は900mを超えこのまま峠越えか、と思っているといきなり町っぽいのが出てくるから面白い。この道路のすぐ右側は苗場スキー場。

三国峠の新潟側は、日本屈指のリゾート地を突っ切る面白い道だった。

 

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標高1000m、三国トンネルまであと1km!さすがにここまでくると峠越えの風情が出てきた。越後と関東を結ぶ大動脈にふさわしい、立派な峠道。

 

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何やら大規模工事中の三国トンネル。トンネルのすぐ上まで雲が迫っていた。

雨予報の中、よくここまで雨を回避できた。

 

トンネルの向こうは関東地方。歴史的な大移動の瞬間だ。

 

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グンマー入国!

 

 

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三国峠頂上付近、三坂大橋から眺めるどこまでも広がる樹海は圧巻だった!

 

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群馬に入ってしばらくすると、ついに雨が降り出してしまった。

それも一瞬で水浸しになるくらいの走行困難な豪雨...

 

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見事に雨雲にロックオンされてて笑うwww
さすがに走行困難なので、コンビニの軒下で30分くらい雨をやり過ごす。

 

雨は止んだが、他にも群馬県内あちこちに小さい雨雲の塊が大量発生しているようだ。

走りだせば、先ほどみたいに集中豪雨に遭う危険性が高まる。

高崎まであと45kmを自走するか、沼田駅から輪行するか。明日のことも考えて輪行するのが賢明な判断なんだろうけど、輪行に踏み切れないのは「米沢から長野まで一本の線で結びたい」という思いのせい。

 

 

輪行をしよう。

発車15分前まで散々迷ったけど、結局のところ高崎に着くのが遅くなって翌日の渋峠を万全のコンディションで迎えられないのは一番避けたい!

 

ぐんまちゃんかわいい。

 

ホームに出たらまた強い雨が降り出した。

輪行を選ぶ判断は大正解だった。

 

こうして、雨を回避しつつも沼田~高崎という分断区間を残してしまった。

 

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沼田から45分、とんでもない都会にワープしてしまったようだ。

高崎は大都会だ。駅と駅ビルの規模と、駅前の活気がさすが首都圏。

 

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高崎駅は、北陸新幹線上越新幹線上越線八高線高崎線信越線、上信線が合流する北関東随一の交通の要衝。グンマー普通に都会すぎてびびった。

 

そして、クソ暑い!!!夜8時なのに,31℃!!!

熱帯夜とかいうそういうレベルじゃなかった。日中の31℃とは違って、モワッとして輪行解除しただけで汗だくになって不快指数が高すぎる!

 

今回の旅で三度目のOYOホテル。最安値を探すと自然に行き着く笑

休息日といいつつも、獲得標高はしっかり1000mをオーバーして「山籠もり」の名に負けないようにした笑

 

明日は日本国道最高地点、標高2172m、渋峠にアタックだ!

旅の最後に渋峠を持ってこれたのは我ながら計画が上手いと思う。

 

 

【2022年2月】伊豆キャン!!りぴーと【伊豆・富士山一周】day1

伊豆キャン!!りぴーと1日目です。

なんと2ヶ月ぶりの本格ツーリングなのに、100km,1700m↑のキャンプツーリング!

海岸をなぞりながら、途中大室山に立ち寄って絶景を楽しんだり。

前半のゆるかったけれど後半にかけて限界ツーリングになり、伊豆半島の洗礼を受けてきました。

 

本日の行程

 

1.豪華すぎる朝食 三島→熱海

まずday1は豪華すぎるホテルの朝食からスタート!

手の込んだおいしい料理が食べ放題・・・

こんなのまでついて一人2000円って破格どころの話じゃない!GoToを使ってるわけでもないのに!なんでこんなサービスが実現できるんだろう...!

出発!バイク乗りの米(仮称)とは別れて、キャンプ場で合流する予定だ。

彼は箱根と江の島を観光した後、キャンプ地の河津町に戻ってくる。バイクの機動力を見せつけられた笑

 

まずは、三島から熱海へ。その間には丹那山地がそびえていて500m近いヒルクライムがお出迎えだ。

 

登るにつれて富士山がちょっとだけ見えてくる。残念ながら、ほとんど雲で隠れていた。

 

今回はキャンプツーリングなので、車体が5kg増しくらいになっている。

そういうときはいつもの7~8割くらいのペースでゆっくりと登る。急ぎさえしなければ、キャンプツーリングでのヒルクライムも恐るるに足りない。むしろ重い荷物をぐいぐい引っ張っていく感覚が癖になる・・・?笑

 

途中でパンクをしつつも、登り切った!パンクの原因はリム打ちだった。多分後ろの荷重に対して空気圧が足りなかった。荷物積載時は、空気圧が足りないとすぐリム打ちする。

 

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峠を越えたら熱海だ!斜面に温泉ホテルがびっしりと立ち並ぶ独特の景観。観光地ムードたっぷり。

 

2.伊豆イチはじまり!大室山へ

熱海から伊豆半島を一周して沼津まで200km、ずっと海岸線をトレースする。

伊豆半島に平野はほとんどなく、常に登るか下っているくらい。

実際、沼津までの獲得標高は3000mを超える。これをキャンプしながら行くのは痺れるw

 

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海の青が濃い。伊豆半島の海はどこも濃い。急に深くなってるからだと思う。

こんな海をずっと高台から見下ろせるから、伊豆半島のアップダウンはめちゃくちゃ楽しい!地形の変化を自分の力で身をもって味わえるのは自転車旅の醍醐味。

 

いつもは特急のしゅえっとも、今回は重さからか
快速くらいに落ち着いていて、ついていきやすかった笑

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この既視感・・・淡路島だ!

 

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お手頃なお店が見つからなかったので、お昼はマック。節約は大事。
旅先で食べるマック、嫌いじゃない。

 

昼食を済ませたら、いよいよゆるキャン△聖地巡礼、「大室山」へ!!

大室山リフト乗り場までの300m近いヒルクライムはきつかった。

住宅街の中、容赦ない10%オーバーの連続。

 

強烈な異彩を放つ、茶色いはげ山が例の聖地だ。リゾート地にこんもりと佇む姿は本当に個性的。

 

ゆるキャン△ファンとしては絶対に見逃せないスポット!

なでしこたちの旅路を思い出しながら・・・

 

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お約束。リフト券売り場の裏にひっとりと立っていた。

 

歩いて登れたりもするのかなって思ったけどリフト以外での入山が禁止されている。

おとなしくリフト券700円(往復)を払う。

 

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ぐいぐい高度を上げていくリフトに乗りながら気づく.

これ,もしかしたら相当な絶景が待っているんじゃ・・・

 

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大正解!!

噴火口の周りに1周20分くらいの遊歩道があるので、とりあえず1周!!

阿蘇に行ったことはないのに、ちょっと阿蘇みたいって思った笑

(全然違っていたら申し訳ない笑)

 

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まさに、天空の回廊。一歩一歩が贅沢すぎる。

 

特に南東方向の眺めが印象的だった。

伊豆半島も開発され尽くされているんだなと感じた。

 

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文字通り伊豆半島を一望できる!

 

最後に、一枚。

撮れ高が良すぎる「2202 伊豆キャン!!りぴーと」の中でも選りすぐりの一枚が撮れた。

 

3.山奥のキャンプ場へ限界キャンプツーリング

さて、下山時には16時を回り、日が傾いてきた。

キャンプ場まで本腰を入れて走らないと!

 

伊豆大島を眺めながら、海岸線スレスレを走る。夕暮れ時もまた良い。

河津まで、グロス20km/hのペースで気持ちよく走れた。

 

河津桜が見ごろだった。伊豆半島の春は早い。

 

突然ですが、ここから、今までの数ある旅のなかでもトップクラスの限界ツーリングが幕を開けてしまう・・・

 

河津駅付近で時刻は18:00。管理人さんには18時半到着と伝えているので今から直行してもギリギリ間に合うかどうか。

そこで、先にキャンプ場へ向かうしゅえっとと食材買い出しをする自分の二手に分かれることにした。この時点ですでに限界みが深いぞw

 

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キャリアの強みが遺憾なく発揮された

食材購入をしている途中、米(仮称)から、「キャンプ場までの道がヤバい」との連絡が入った。

確かに250m登るけど、そんなに変な道だったかな...??

 

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え、まじで??? 完全に想像の斜め上w

この先にキャンプ場があるなんて絶対に誰も思わない。

勾配も10%を余裕で超えて、食材を積んで重くなった自転車を押していく場面も多かった。上で仲間が待ってるからなんとか進んでいける。ソロだったら撤退不可避w

 

キャンプ場に着いた後も,さらなる事件が発生。

しゅえっとのテントが立たない!!

彼のテントは2人用・ダブルウォールでポール等すべて含んで1.3kgと、驚異的な軽さ。どうやら軽量だが設営が難しい非自立式を選んでしまったようだ。

初めて見る非自立式テントの設営に,1時間近く格闘することになった。

 

テントが立ったら、さて温泉。伊豆踊り子温泉館。

温泉はさっきのヤバすぎる道を完全に下りきった先にある

普通だったら温泉は諦める。あの山道をもう一往復するのは正気の沙汰じゃない。

でも何もない、自分たち3人以外誰もいない山の中でハイになって正常な判断ができなかった笑

汗を流したいし、温泉に行こう。せっかくキャンプ場から割引券も貰ったから。

ここまで来たら、とことん限界まで突き進んでいこうじゃないか!!!笑笑

 

伊豆踊り子温泉会館。通常1000円のところキャンプ場のクーポンで500円で入れる。

1日中走りまわった後の温泉はそれはもう最高だった。

閉館30分前に入場したからお湯につかっていたのは15分くらいだったけどwww

 

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絶望。温泉から上がった後待っていたのは、わかりきっていた絶望

あの例のヤバい道をもう一回登って山の中のテントに帰らないといけない。

絶望!!!温泉に飾ってあった映画ゆるキャン△のポスターだけが唯一の救いだよ...

 

 

幸運にも、あの山道は1回目よりは格段に楽だった。

荷物を降ろして自転車は軽くなっているし、一緒に登る仲間もいる。

湯冷めしないように、慎重にゆっくり登った。

 

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こうしてすべての困難を終え、23時過ぎにやっとご飯を囲むことができた。

改めて、3張もテントがあると冒険の雰囲気が出て大変いい感じ。

 

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炊飯だけはいつも通り絶好調!

おかしいな、ただのレトルトの牛丼なのに美味しすぎる。

 

しゅえっとにとっては初めてのキャンプツーリングなのに、とんでもない立地のキャンプ場を選んでしまったな・・・笑

標高250mくらいならいいか、と思っていたらまさかあんな道になっているなんて。

キャンプ場の立地選びは当然大切だなと反省する伊豆キャン1日目でした。

 

【2022年2月】伊豆キャン!!りぴーと【伊豆・富士山一周】day0

 

0.旅のきっかけ

 伊豆半島は自転車趣味における大きな転換点だ。

 まず第一に、キャンプツーリングはじまりの地。2021年2月、伊豆半島を一周する初めてのキャンプツーリングを経験した。貧弱なキャンプギアと積載装置(と花粉症)が原因で4日目以降の旅程を諦めざるを得なかった。その後装備と積載方法に改良を重ね「5月熊野」「7月四国横断」「9月飛騨信州」(←今後執筆予定)「10月R193」「11月R425」(←今後執筆予定)など数々のキャンプ旅に繰り出した。ホテルがないところでも格安で泊まれるなら、どんな旅だってできる。2021年はキャンプツーリング元年だった。

 

 そして、ゆるキャン△。2021年2月の伊豆キャン敗走後に見たそれは心に深く染み渡った。その後ゆるキャン△がきっかけでのんのんびよりけいおんといった素晴らしい作品に出合い、こうしてまた一人オタクが増えてしまう・・・

というのは冗談として(笑)聖地巡礼など新たな自転車の楽しみが広がったのは事実!

 

とにかく、ゆるキャン△聖地巡礼、そして1年前の伊豆イチの聖地巡礼として、伊豆半島一周は何としても去年と同じ2月下旬に行かなければならない。

 

今回は小学校からの長い付き合いで最大の自転車仲間の「しゅえっと」が参戦、そして大学の友人の「米(仮称)」もバイクで合流して3人でのキャンプツーリングになった!

one-third-blue.hatenablog.com

↑しゅえっとのブログ。文章力豊富な最高に面白いブログなのでこちらもよろしく!

少々更新が遅いけど今回の旅のこともいつかブログに書いてくれる...はず......。

 

 

1.神戸→沼津大移動

2021年2月23日、ふじさんの日だ。神戸市内の自宅から沼津までの500km近い大移動で旅が始まる。惜しくも青春18きっぷの利用可能期間ではなかったので、学割乗車券で6160円だ。

 

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長旅に出る前は必ず玄関で写真を撮る.じゃあな神戸!

在来線をひたすら乗り継いでいくだけなので、改めて書くことはそこまでない。

車窓を眺めたり、ツーリングマップルを読んだり、仮眠を取ったり。

 

 

静岡駅で熱海行きの電車に乗って、沼津まであと1時間。

しかし順調で気を抜いている時ほどトラブルが起きるのはもはやお約束のようで、今回もまたトラブル、それも致命的な大事件が起きてしまう。

 

熱海行の車内の中、清水駅付近で......

背負っていたはずのリュックがない(!!!)

 

思い当たる節はこれしかなくて、静岡駅で乗り換えた時に、前の電車(浜松発)の座席上のラックに置いてきてしまった。

さあどうするENDO。ひとまずこのまま乗り続けるわけにはいかないので、清水駅で降りて落とし物センターに連絡を入れる。次に届け先はおそらく静岡駅だと判断して静岡駅に折り返す。少なくとも清水駅にいるよりは可能性は高いはず。

静岡駅に引き返してきたのはいいのだが、しばらく虚無の時間を過ごす。本当に虚無でしかなかった。集合に送れる申し訳なさ、もし見つからなかった場合の絶望、リュックを背負っていないことすら忘れてしまう情けなさ。加えて座席上のラックに忘れ物をするのは今回が2度目だ。(前回はサドルバッグ......) リュックに貴重品を入れていないことだけが不幸中の幸いだった。

 

電話が鳴った。発信元は静岡県静岡市。もしかしたら、人生で一番うれしい電話だったかもしれない。リュックは予想通り静岡駅に届いていた。

 

忘れ物発覚からわずか1時間足らずで駅に届くなんて奇跡的すぎてなんて言ったらいいのだろうか。係員の人に何回お礼言ったかわからないよ・・・

 

教訓:忘れるから座席上の荷物ラックには絶対に荷物を置いてはいけない!!!

 

気を取り直して、再び熱海行に乗る。今後は本当に気を付けよう。

 

 

 

2月23日、富士山の日に富士山を眺められるという贅沢。

富士~吉原間が富士山が窓の真正面に来るベストタイミングだ。

 

例の忘れ物で、1時間半遅れて沼津に到着。

沼津駅には宇都宮行きの電車が止まっていて、遠くまで来たことを実感させられた。

 

 

沼津駅を降りると街はラブライブ一色。

ラブライブ好きのしゅえっとはもう大はしゃぎで、ラブライブ未履修だったのがちょっと悔やまれるくらいだった笑

アニメ効果で人口増加って話を聞いたことがあるけど、アニメを知らない人から見てもすごいって思うくらいの力の入れ具合だった!

 

お約束の「さわやか」は1時間待ち。さすがに待ちきれず「富士タンメン」という宿に近い良い感じのラーメン屋に3人で入った。美味しかった。

 

本日のお宿、Hotel Gee Haive

このホテル、控えめに言ってとんでもないホテルだった。

三島駅徒歩5分

・外装、内装がめちゃくちゃきれい

・4人用のファミリールームを3人で使わせてもらえた

・部屋の冷蔵庫には人数分のミネラルウォーター

・高級シャンプー、ボディソープ備え付け

・ランドリー、乾燥機無料(洗剤あり)

・手の込んだ美味しすぎる朝食

これで2000円/人(朝食込み)

コロナ禍でホテルの相場が......と聞くけれど、もはやこれは大丈夫なのかってレベル!

 

初対面のしゅえっとと米(仮称)も、旅が共通の趣味ということもあって話が弾み、楽しい楽しい旅の幕開けの夜だった。ちょうど一年越しの伊豆イチ+富士イチは、明日から5日間にわたって続く。

 

 

 

【2021年8月】越後山脈山籠もり【米沢→長野】day4

越後山脈山籠もり、4日目です。「樹海ライン(国道352号)」。遅い年では6月下旬まで雪に閉ざされることもある、日本で一番最後に冬季閉鎖が解除される国道。そんな全サイクリスト憧れの幻の道路を、ついに走ることができました。世界屈指の豪雪山岳地帯をゆく道路は、人を寄せ付けないような異次元の景色の連続でした。

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本日の行程

 

 

1.まずは御池まで

前日の燧ケ岳登山の疲れもあって、朝はゆっくり目の9時出発。

宿の方が記念写真を撮ってくださった。

2泊したこの宿も、アットホームでくつろげるいい所だった。

今回の旅、本当に宿泊場所には恵まれている!

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本日8月29日は日曜なので、補給食買い出しに立ち寄る予定の檜枝岐村唯一のスーパー「JA檜枝岐村ストアー」が午前10時の開店。どう頑張っても10時までは檜枝岐村で足止めを食らってしまう。檜枝岐村での食料の調達、難易度高し!朝の出発をそこまで急がなかったのもこのため。

 

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樹海ライン内は約80kmに及んで商店が一つもないので、まず何よりも先に補給食の買い出しをする必要がある。補給の重要性は昨日の登山で痛いほど学んだ。しかし、こういう山奥だと大体物価は高い。

それなりの出費は覚悟していたのだが......ここでうれしい誤算が起きてしまう!

 

半額セールのラッシュで、過去最高の補給コストパフォーマンスをここ檜枝岐村で記録したwww ありがとう、JA檜枝岐村ストアー!

 

御池までは昨日走った道と全く同じだけど、何回でも通りたくなるようないい道だ。緑が濃くて、大自然独り占め感が素晴らしい。

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「橅坂の清水」

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昨日は左に行った分岐を、今日は直進する。知っている道から知らない道に入るのは、自転車旅でワクワクする瞬間だ。

 

 

2.樹海ライン! 御池~銀山平

御池との分岐を過ぎると、まもなく樹海ライン最高地点(標高1530m)に到達。

待ちに待ったダウンヒルの時間!

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緑!

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緑!!

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緑!!!

最高に気持ちいい!!走っているときはもちろん、こうやって後から写真を見返しても癒される!

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廃屋や柵など、人の営みの跡がちらほらと見られる。こんなところにいったい何のために作られたのか。考えれば考えるほど不思議だ。

 

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「山ん中」

酷道ツーリングでは珍しいことに、今回は昼ご飯をお店で食べることができる。

その名も「山ん中」。ド直球で大好きなネーミング!

いや、ほんとにここは「山ん中」なんだ。少なくとも半径10km以内に民家は一軒もないし、携帯も通じない。

 

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山菜定食とケーキ

ここの山菜は、よくある蕎麦とかに入ってる山菜の10000倍くらい味が濃くて、

生きている山の味がした。ケーキもすごい美味しかった。

 

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おおっと、いよいよ樹海ライン名物「洗い越し」の登場だ!

洗い越しとは、橋を架けることが費用対効果に見合わないなどの理由から、川が道路の上を流れているものだ。日本の道路では非常に珍しい。ここ樹海ラインと、国道157号の温見峠などが有名どころ。樹海ラインの福島県側には洗い越しはなかったが、新潟県に入ると洗い越しが連発した。

 

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樹海ライン洗い越しセレクション!

最初は恐る恐る進むけど、慣れてくると水路の上を走る感覚が病みつきになってくる笑

意外にも、滑ったりハンドルが取られたりはしなかった。

32mmのグラベルキングのおかげかも。

 

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水の出口を見てみると、しっかり岩が削られてるから面白い。

 

洗い越し以外にも、樹海ラインの魅力はまだまだ尽きない。

 

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右側に目をやると、急斜面に白い線が一直線に走っている。

一瞬理解が追い付かない。あれは道路なのか??

深い谷を大きくトラバースして、今進んでいる向きとは逆向きに道路が続いている!?

 

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近づいてみるとやっぱりあれは道路だった。奥只見湖周辺は地形が険しすぎて、道路の線形も鋭角のカーブが連続するとんでもないことになっている。面白い。

 

そしてこの崖、めちゃくちゃいい写真が撮れる。

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どんなに険しい道でも、自分の力だけを頼りに進む「冒険の自転車」

自分のライドスタイルを表しているような一枚!

2021年の愛車ベストショットだ。

 

 

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奥只見湖沿いは、100mくらいのアップダウンがあり、登りきるとダム湖を見下ろすことができた。高校時代に走った秋田の太平湖を思い出す。

それでもダム湖が見えるシーンは全体を通しても少なくて、湖の展望というよりスリリングな走りを楽しむべき道だと思う。

 

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カーブを曲がったらいきなりこの景色。もはや何の山かわからないけど、目の前に壁が立ちはだかる様子は圧巻の一言。樹海ライン、すごい。

 

3.樹海ライン!! 銀山平枝折峠

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県境から35kmくらいすると、銀山平に着いた。

突然道が幅広く直線になって,ついさっきまでの酷道とは雰囲気ががらりと変わる。

銀山平2000m級の山に囲まれた盆地になっているエリアで、温泉施設やホテルもある。奥只見湖の遊覧船の発着点にもなっている、40kmぶりくらいに自動販売機を見つけた。ここは樹海ラインの中で唯一文明を感じられる場所だ。

この後は樹海ラインの難所の一つ、「枝折峠」が待ち構えている。

いかにも嵐の前の静けさのような穏やかな雰囲気だった。

 

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気高くそびえる越後駒ケ岳.銀山平の周囲は完全に山に囲まれている.

しばらく銀山平で休憩をしたら、次は枝折峠ヒルクライムだ。

標高差は約400m、日も傾いてきているしサクッと終わらせようと思っていた。

しかし、またもや絶景が足を引き留める!

 

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ヒルクライム中、ずっと視界に入ってくる越後三山。2000mの標高もさることながら、横にどこまでも広がってる。山脈!!!という主張が強すぎる。これは絶景!

 

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実際に見ると,後ろの山はこの写真より3倍くらい迫力がある.

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越後三山をバックに魅惑的なつづら折れ・・・たまらないね.

 

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18時前、枝折峠(1065m)を登り切った。峠自体は勾配もゆるく難所というほどではなかったが、これまでに洗い越し・断崖絶壁・数え切れないほどの急カーブを走り抜けて

きたからか、疲労感と充足感が半端じゃなかった。

 

4.樹海ライン完走!!!

あとはひたすら下れば魚沼市の市街地に出られる。そうすれば本日の宿がある浦佐駅までは一瞬だ。

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夕陽に染まる越後三山もかっこいい・・・  

 

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何もない山の中から、だんだんと田んぼや建物が現れてきて、安心感が押し寄せてくる。人里に戻ってきたぞ~~!!

 

振り返ると、緑の回廊を抜けて洗い越しと断崖絶壁が現れて、アップダウンと急カーブの道路は走りごたえしかなくて、最後には越後駒ケ岳の絶景を眺めながらフィニッシュ。これほどお腹いっぱいになれる道は他にない。

樹海ラインには、自転車旅に求める「冒険」のすべてがあった。走らせてくれてありがとう。

 

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今夜は浦佐駅前のビジネスホテルに泊まった。3800円と格安なのに、風呂とトイレがセパレートで快適だった。

 

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浦佐駅前のレストランにて、夜ご飯。椎茸のお寿司なんて初めて見たから、つい頼んでしまった。美味しかった。

 

翌日は三国峠を越えて高崎まで淡々と移動し、明後日はいよいよ秋田時代からの自転車仲間(現在東京在住)と合流して渋峠に挑む!最後まで山籠もりを貫いていく!

樹海ラインを無事走り切ることができて、この「越後山脈山籠もり」も前半戦終了だ!

 

【2021年8月】越後山脈山籠もり【米沢→長野】day3

越後山脈山籠もり,3日目です.本日は待ちに待った燧ケ岳登山!登山口までのアクセスは,もちろん自転車で.自転車でのヒルクライムと登山の組み合わせはもう最高ですね...!あまり難しい山だと自転車と組み合わせるのは困難ですが,今回の燧ケ岳はちょうどいい感じの手ごたえでした.

 

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本日の行程.宿を拠点に燧ケ岳ピストン

 

1.御池登山口までヒルクライム

燧ケ岳登山というビッグイベントの日なので,5時過ぎには起きた.

ただでさえ自分以外に宿泊客が見当たらないのに,朝早くとなると宿の中は物音ひとつしない不思議な空間だった.

会津田島駅付近のヨークベニマルで買った朝ごはんを済ませ,出発の準備完了.

 

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宿の中は時間が止まっているみたいだった.これから燧ケ岳登山という冒険に出る!

 

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5時50分,出発.100点満点の青空だった.

檜枝岐村中心部までは,川に沿った緩やかな上り坂が15kmほど続いた.村の中心部を過ぎると,ある地点から一気に勾配を増して尾瀬に向かって標高を稼いでいく.

 

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出発してすぐ見つけたきれいな川.こういうのは必ず撮ってしまう.

 

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屏風岩

 

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ついに福島県の最奥地,檜枝岐村へ!ここからは尾瀬国立公園の聖域だ!と言わんばかりの謎のタワー(?)が目立つ.福島県どころか,東北の最奥地感がプンプン漂うこの地にいつかは行きたかった.秋田で自転車を始めてから約7年,夢がまた一つかなった.

 

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檜枝岐村のメインストリート

村の中心部を抜けると,すぐさま大自然の中に突入.

 

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「橅坂の清水」
ツーリングマップルには名水のマークで示されていたが,想像していた水汲み場的なのではなかった.多分飲めるんだと思う(適当)

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 青と緑が濃い!!!

自然の緑が濃すぎて,山に入る前から登山した気になってきた!

 

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今日は左へ,明日は直進して樹海ラインへ.尾瀬という日本を代表する山岳地帯のど真ん中の,大きな分岐に立っている.こんなにワクワクさせてくれる看板ってほかにある??

 

2.燧ケ岳登山(前編)

8時ちょうど,標高1500m,御池駐車場に到着!勾配は急すぎず,登山の準備運動らしい気持ちいいヒルクライムだった.

 

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御池登山口には売店やトイレがあって整備されている.

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登山口で自転車はアウェーな感じw

 

トイレなど身支度を済ませ,8時20分に入山.

ここからは自転車ではなく登山の世界に突入する.

夏山で晴れの予報とはいえ,標高2000mを超える登山は今回が初めて.

絶対に無理はせず,くれぐれも安全第一で進みたい.

とはいいつつも,東北・北海道最高峰から見えるのはどんな景色なのか,ワクワクが止まらない!!

 

 

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山頂までは4.5km!4.5kmを長いとみるか,短いとみるか...!?

 

改めて,今回登る燧ケ岳(御池コース)の概要をおさらいしてみる.

燧ケ岳

標高:2356m(東北・北海道最高峰)

距離:8.5km

獲得標高:1012m↑ 1012m↓

コースタイム 登り3時間50分 下り3時間10分 計7時間

 

来た道を引き返すピストンコースで,コース全体としては,急な登りと景色が開けた平坦な湿原地帯を交互に繰り返すのが大きな特徴.特に,湿原の先に堂々とそびえる山頂の姿は圧巻.欲を言えば尾瀬沼側に降りたかったけど残念ながら日帰りでは時間が足りない......

 

では登山開始!!

 

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チョコレートフォンデュ

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ほぼ垂直

登山口から10分も歩くと,いきなり燧ケ岳の洗礼を浴びることになった.

強烈なぬかるみと急すぎる岩場.

最近全く雨が降っていないのに地面がドロドロなのは上に湿原があるからなのか??

序盤だから体力は余っているけど滑る滑る.早くもSPDシューズのまま登り始めたことを後悔し始める......

 

 

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池塘がきれい

岩場を乗り越えると歩きやすい木道が現れ,景色も開けた.

3つある急登区間のうち1つはなんとかこれでクリアしたことになる.

まだ山頂は見えないけど,ずいぶん気持ちが楽になった.

 

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第2の急登区間が始まった.ほぼ垂直の登りが延々と続く.

再びぐいぐいと登り始める.

途中,血らしき赤い液体で染まった岩があってぞわぞわした(写真は伏せておきます)

あれは一体何だったのか・・・

 

2つ目の急登区間をクリアすると,いよいよ山頂が姿を現す!

 

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これが東北・北海道最高峰2356mの姿!

先の見えない岩場から山頂が見えた時の感動といったら・・・泣けてしまう。

 

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360°どこを切り取っても絶景にしかならない!

こんな経験は自転車だけではできない.登山ってすごい.

 

 

湿原を抜けると,またまた黙々と登り続けることになった.今までとは違って,標高2000mを超えてくると森林限界らしくなり,景色が開ける分気持ち的には楽だった.

高山病というほどではないが,ちょっとペースを上げたりすると心拍数がなかなか元に戻らないような感じがした.これが空気の薄さってやつか.

 

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先ほどの湿原があんなに遠くに・・・

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写真でも伝わる,この急斜面

3.燧ケ岳登山(後編)

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山頂!?

それっぽい予兆もなく,いきなり現れた.

燧ケ岳登頂・・・!?

 

にはまだちょっと早い.燧ケ岳には2つのピークがあって最初にたどり着くのは標高2346mの俎嵓(まないたぐら). 

標高2356mの真の山頂柴安嵓(しばやすぐら)

に行くにはさらに30分くらいの山歩きが必要だった.

 

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向こうに見える柴安嵓に行かないと,東北・北海道最高峰制覇にはならない!

 

 

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雄大すぎて距離感覚がバグりそうwww

 

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下から見ると迫力がすごいが,実際のところ15分くらいで登り切ってしまった。

 

 

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真の山頂,柴安嵓に到達 標高2356m!!

ここが東北・北海道の最高地点だ!!!

 

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みんな美味しそうにインスタント麺食べている。

ガスバーナーを忘れたのは大きな失態だった。

 

標高2356mの世界を少しでも長く味わおうと,山頂に長居しすぎてしまった.

(奇跡的に電波がつながる1m四方くらいの場所を発見したせいでもある笑)

気が付いたらガスがかかりはじめてきた.

 

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俎嵓に戻ってきたころには,時折視界が真っ白.

山頂エリアに何だかんだで2時間も居座っていた.標高が高いというだけで味わえる最高の非日常感を,いつまでも味わっていたかった.

時刻は14時前,山頂に残る登山者の数も少なくなってきたので,本格的に下山を始めた.この下山が本当に死ぬほどきつかった.

 

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10時頃はちょっと雲が見えてきたというくらいの天気だったのに,正午頃にはガスがかかりはじめ,14時過ぎにはこのありさま.改めて,山の天気って怖い.

 

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基本的には一本道だから道迷いのリスクは少ないけれど,ここまで視界が遮られると不安に駆られて仕方なかった.そして何よりも圧倒的カロリー不足だった.

 

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朝ごはんと補給食合わせてこれだけ.1600kcalくらい.登山口まで2時間の走行,7時間の登山として必要なカロリーは超大雑把に考えて400(自転車)x2+300(登山)x7=2900kcal!?ヤバすぎる.

圧倒的カロリー不足!!

 

自転車では,いくら山奥を走るといっても7時間も食べ物はおろか飲み物さえも入手できない環境に遭遇することはなかった.どこかで補給できるのではないかと無意識に思ってしまっていたのか??

7時間の山歩きで必要なカロリーを完全に見誤ってしまった.昼ごはんを食べ終わった時点でまだ少し空腹だったくらいだから,今や完全に空腹の向こう側で,「気持ち」だけで歩いていた.こんな山奥でハンガーノックで行動不能になったら本気でヤバい.頼む,自分の体,なんとか持ってくれ・・・!

 

 

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ハンガーノック寸前でフラフラになりながらも,なんとか登山口に戻ってくることができた.生きた心地のしない下山だった.でももう大丈夫.山の駅で食べ物が買える.

 

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生き返る~~~!!!大勝利!!!

 

燧ケ岳登山の反省

・山歩きに必要なエネルギー量を正しく計算しよう

SPDシューズではなく登山靴を履こう

 

4.登山後の癒しタイム

後は来た道を降りて温泉に入り,宿に戻るだけ.

synapse自慢の油圧ディスクブレーキがしっかりと効いた下り坂は本当に快適だった.

位置エネルギーに身を任せて,必要なのはブレーキのタッチのみ.

登山の下りもこうだったらいいのに(切実)

 

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「燧の湯」は源泉かけ流しの極上の硫黄泉.

登山で消費した色々なエネルギーがぐんぐんチャージされるようなすごいお湯だった.
館内に売店はなく,国立公園内のためゴミ箱も置いていない.
純粋に温泉を楽しむところといった感じだった.

 

 

檜枝岐村では,すべての商店・飲食店が17時に閉まるから,少々財布に響くが宿で夕食をいただくことにした.

 

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地元の野菜や福島名物をふんだんに使った美味しすぎる夕食!!
ボリュームも満点で登山後の体に染み渡る.

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柳津で名物の粟まんじゅうを食べ損ねた話をしたら,食後にどこからか出してきてくれた.
本当にありがとうございます・・・!!

本日も他に宿泊客がいなかったので,宿のオーナーさん夫妻が夕食にご一緒してくれた.今回の旅のことなどを話しながら,明日この宿を離れたくなくなるくらい楽しい時間だった.

ヒルクライムをして,登山をして,温泉に入って,宿で豪華な夕飯を食べる.

こんな最高なことがあってもいいのだろうか・・・